北の藍染織工房は40周年を迎えました。
漂うーFlow series
藍の発酵が強い時に染める
“Flow 漂う”
冬期間の藍発酵液と染色 Indigo fermentation liquid and dyeing during winter
1月〜2月の外気温は零下10°C前後、3月になると0°C前後、藍発酵液の液温は25°Cぐらい、毎日、液中の素材とpHを均一にするように攪拌する
The outside temperature in January and February is around -10°C, and in March it is around 0°C.The temperature of the indigo fermentation liquid is around 25°C.
Stir every day to make sure that the material in the liquid and the pH are even.
藍染めした羊原毛や布の水洗と日向干しを繰り返し、彩度と堅牢度を上げる.
Repeatedly washing indigo-dyed sheep wool and cloth with water and drying in the sun to increase color saturation and fastness.
インジゴと微生物のやり取りと酸化を布に残した作品「痕跡」
“Trace” is a piece of work that shows the interaction between indigo and microorganisms and oxidation on cloth.
今年の染納め、藍発酵液に麩をあげて、労をねぎらう
今年建てたすくも藍発酵液200L、よく活性していて、安定している。クリスマスに小麦麩100gを加えて、仕事納めは原毛染め。
インジゴ還元のための微生物叢の動態と代謝機能に対する発酵規模の影響
共同研究が International Journal of Molecular Sciences より発行されました
“Effect of Fermentation Scale on Microbiota Dynamics and Metabolic Functions for Indigo Reduction”
Nowshin Farjana, Hiromitsu Furukawa, Hisako Sumi, and Isao Yumoto*
International Journal o f Molecular Sciences
す くも発酵液180Lの仕込〜原毛と楮の染色、2023年夏の記録
A record of 100 days from preparation to dyeing of Sukumo Ai in 2023 summer
庭の染料植物 Dye-plants in garden
今年はなかなか気温が上がらない春でしたが、6月になり、晴天であれば日中は20度を超え、庭の染料植物達が育ってきました。今年は、昨年種を蒔いたウォードから、ウォードボールを作り、昨年までに作り発酵ー乾燥したウォードボールで2回目の発酵を行い、ウォードすくもを作る予定です。
This year it was spring when the temperature did not rise easily, but in June, if the weather was fine, the temperature exceeded 20 degrees during the day, and the dye plants in the garden grew.
This year, I plan to make woad balls from woad I sowed last year, and then ferment the woad balls that I made last year, fermented and dried for the second time to make couched woad
NORTH-INDIGO Tweed 制作現場
すくも藍の仕込みから48時間経過、最初は液面のあちらでパチ、こちらでパチと音がして、徐々に感覚がパチ、パチと短くなり、液面にできた藍色の泡が弾ける音だとわかります。すくも藍と仕込みからの経過、状態によって、聞こえる音の強さが違い、発酵が安定するまでの時間も違います。
このすくも藍発酵液はとても染色性が高く、羊原毛やウール布、楮繊維や楮紙、苧麻布、生成綿を淡色から濃色まで彩度が高い藍色に染まります。
2017〜2022年、種蒔きからウォードすくも作り〜発酵〜染色
2017年、庭にウォードを直播、プランターにエゾタイセイの種をまき、2018年春に庭に移植し、栽培した。時々、布に葉を挟んで、その上から石で葉を叩いて、葉の汁を布に染めつけ、インジゴ色素の含有を確認した。収穫した葉を潰してウォードボール作り〜野外で発酵、秋に納屋に並べ、発酵ー熟成させた。2019年夏〜秋にウォードボールを砕き、水分を加えて発酵させ、すくもにした。2020年〜2022年まで、これを繰り返し3kgできた。
2022年9月、出来たウォードすくも400gを灰汁と小麦麩で新しい容器に仕込み、発酵させた。
2日後、液面に酸化したインジゴによる紫色の膜が現れ、液色が緑色の還元色になったので、7.5Lのステンレスポットに移して、灰汁を加えて6Lに嵩上げした。翌日染色、布が還元色の緑色になり、取り出して酸化、藍色に染まった。いつもの甘く明るいウォードの藍色である。